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    <title>乳房温存 on 地方住み医師の乳癌と緩和ケア相談所</title>
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    <description>Recent content in 乳房温存 on 地方住み医師の乳癌と緩和ケア相談所</description>
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      <title>乳がんの手術——温存か、全摘か</title>
      <link>https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-surgery-onzon-zenteki/</link>
      <pubDate>Wed, 29 Apr 2026 00:00:00 +0000</pubDate>
      <guid>https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-surgery-onzon-zenteki/</guid>
      <description>&lt;p&gt;「手術は乳房を残せますか？」「全部取った方が安心ですか？」——診察室でとても多く受ける質問です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;乳がんと診断されたとき、手術の方法をどう選ぶかは、多くの患者さんにとって大きな悩みです。この記事では、乳腺外科医として20年診療してきた立場から、温存手術と全摘手術の違いと選び方を解説します。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;1-2つの手術の基本&#34;&gt;1. 2つの手術の基本&lt;/h2&gt;
&lt;h3 id=&#34;乳房温存手術部分切除&#34;&gt;乳房温存手術（部分切除）&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;がんの部分とその周囲の乳腺を切除し、乳房の形を残す手術です。手術後には多くの場合、&lt;strong&gt;放射線治療&lt;/strong&gt;を行います。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;乳房全摘手術乳腺全切除&#34;&gt;乳房全摘手術（乳腺全切除）&lt;/h3&gt;
&lt;p&gt;乳房の乳腺組織をすべて切除する手術です。放射線治療が不要になることが多い一方、乳房の形は失われます（再建手術を行う選択肢があります）。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;2-再発率は同じこれが大前提&#34;&gt;2. 再発率は同じ——これが大前提&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;まず知っておいていただきたい重要な事実があります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;「温存手術＋放射線治療」と「全摘手術」では、生存率・再発率に差はありません。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは1980年代から複数の大規模臨床試験で示されており、現在の乳がん治療の標準的な考え方です。「全部取れば安心」という感覚は理解できますが、医学的には根拠がありません。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;参考情報源&lt;/strong&gt;：国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん 治療」（&lt;a href=&#34;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html&#34;&gt;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html&lt;/a&gt;）&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;3-どちらを選ぶかの基準&#34;&gt;3. どちらを選ぶかの基準&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;温存手術が可能かどうかは、主に次の条件によって判断されます。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;温存手術が適している場合&#34;&gt;温存手術が適している場合&lt;/h3&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;腫瘍が比較的小さい（目安として3cm以下）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;乳房の大きさに対して腫瘍が小さく、切除後も形を保てる&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;腫瘍が1か所にまとまっている&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;放射線治療を受けられる状況にある（平日毎日通院することができるなど）&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;h3 id=&#34;全摘手術が検討される場合&#34;&gt;全摘手術が検討される場合&lt;/h3&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;腫瘍が大きい、または乳房に対して切除範囲が広い&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;腫瘍が複数か所にある（多発）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;非浸潤がんが乳房全体に広がっている&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;放射線治療が受けられない事情がある（妊娠中など）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;患者さん自身が「再発への不安から、全摘を希望する」&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;最後の項目は重要です。&lt;strong&gt;生存率に差がない以上、どちらを選ぶかに&amp;quot;正解&amp;quot;はありません。「残したい」「すべて取り除きたい」どちらの思いも、正当な選択の理由になります。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;4-温存手術後の放射線治療について&#34;&gt;4. 温存手術後の放射線治療について&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;温存手術を行った場合、術後に残った乳房全体への放射線治療が標準的です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;放射線治療の回数・期間は、長年にわたって短縮される方向に進化してきました。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
  &lt;thead&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;th&gt;時代&lt;/th&gt;
          &lt;th&gt;照射回数&lt;/th&gt;
          &lt;th&gt;期間&lt;/th&gt;
          &lt;th&gt;根拠となる主な試験&lt;/th&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/thead&gt;
  &lt;tbody&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td&gt;従来法&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;25回&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;約5週間&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;長年の標準治療&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td&gt;寡分割照射&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;15〜16回&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;約3週間&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;START-B試験（Lancet 2008）、カナダ試験&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td&gt;超寡分割照射&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;5回&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;約1週間&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;FAST-Forward試験（Lancet 2020）&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;**寡分割照射（15〜16回）**は、英国のSTART-B試験（2008年、&lt;em&gt;Lancet&lt;/em&gt;誌）やカナダの試験で、従来の25回と局所制御率・生存率ともに同等と示されました。現在、日本でも標準的な選択肢になっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;**超寡分割照射（5回・1週間）**は、英国のFAST-Forward試験（2020年、&lt;em&gt;Lancet&lt;/em&gt;誌）で、5年間の局所再発率・副作用ともに15回と非劣性であることが示されました。日本ではまだ普及途上ですが、導入している施設が増えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;通院の負担が大きく減ってきていることは、温存手術を選びやすくなった大きな変化の一つです。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;どの方法が使えるかは施設によって異なります。&lt;/strong&gt;「何回の照射になりますか？」と担当医に確認してみてください。&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;p&gt;「放射線が怖い」という方もいますが、乳がんへの放射線治療は副作用（皮膚炎など）は多くの場合、一時的なものです。放射線治療ができない事情がある場合は、担当医に相談してください。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;5-乳房再建について&#34;&gt;5. 乳房再建について&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;全摘手術を選んだ場合、乳房再建を行うことができます。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
  &lt;thead&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;th&gt;再建の時期&lt;/th&gt;
          &lt;th&gt;内容&lt;/th&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/thead&gt;
  &lt;tbody&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td&gt;一次再建（同時再建）&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;全摘と同じ手術で再建する&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td&gt;二次再建&lt;/td&gt;
          &lt;td&gt;全摘後、時間をおいてから再建する&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;再建の方法には、人工物（インプラント）を使う方法と、自分の組織（腹部や背部の筋皮弁）を使う方法があります。どちらを選ぶかは体型・希望・治療の流れによって異なります。&lt;/p&gt;</description>
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