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    <title>過剰治療 on 地方住み医師の乳癌と緩和ケア相談所</title>
    <link>https://chiho-nyugan-kanwa.com/tags/%E9%81%8E%E5%89%B0%E6%B2%BB%E7%99%82/</link>
    <description>Recent content in 過剰治療 on 地方住み医師の乳癌と緩和ケア相談所</description>
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    <lastBuildDate>Tue, 14 Jul 2026 08:00:00 +0900</lastBuildDate>
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      <title>「ステージ0」「非浸潤性乳管がん」と言われたら——命に関わるの？なぜ治療するの？</title>
      <link>https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-dcis-stage0/</link>
      <pubDate>Tue, 14 Jul 2026 08:00:00 +0900</pubDate>
      <guid>https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-dcis-stage0/</guid>
      <description>&lt;p&gt;「がんですが、ステージ0です」——そう言われて、頭のなかが混乱してしまう方は少なくありません。「がん」という重い言葉と、「0」という軽そうな数字。この2つがどう結びつくのか、すぐには飲み込めなくて当然です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;この「ステージ0の乳がん」の正体が、**非浸潤性乳管がん（DCIS）**です。この記事では、乳がん診療に20年携わってきた立場から、&lt;strong&gt;DCISとは何か、なぜ「がん」なのに「ステージ0」なのか、そしてよく話題になる「治療しすぎでは？」という議論&lt;/strong&gt;まで、落ち着いて整理します。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;非浸潤性乳管がんdcisとは&#34;&gt;非浸潤性乳管がん（DCIS）とは&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;乳がんは、母乳の通り道である&lt;strong&gt;乳管&lt;/strong&gt;の内側の細胞から生まれます。この「がん細胞」が、&lt;strong&gt;まだ乳管の中にとどまっている&lt;/strong&gt;段階——それが非浸潤性乳管がん（DCIS）です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;イメージとしては、&lt;strong&gt;「水道管の内側にできた汚れが、まだ管の中だけにある状態」&lt;/strong&gt;。がん細胞が乳管の壁を破って外に広がる（＝浸潤する）前の、いちばん早い段階です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;国立がん研究センターは、非浸潤がんについてこう説明しています。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;「がん細胞が乳管内または小葉内にとどまっているがんです。適切な治療を行えば、転移することはなく、再発はわずかです。」&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;参考情報源&lt;/strong&gt;：国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん——がんの性質」（&lt;a href=&#34;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html#nature&#34;&gt;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html#nature&lt;/a&gt;）&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;p&gt;つまりDCISは、&lt;strong&gt;適切に治療すれば、命に関わることはほとんどない&lt;/strong&gt;段階のがんです。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;なぜがんなのにステージ0なのか&#34;&gt;なぜ「がん」なのに「ステージ0」なのか&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;ステージ（病期）は、がんがどれくらい広がっているかを示す数字です。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;がん細胞が&lt;strong&gt;まだ乳管の中だけ&lt;/strong&gt;にいる → &lt;strong&gt;ステージ0&lt;/strong&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;がん細胞が乳管の壁を破って外へ出た（浸潤した）→ ステージ I 以上&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;DCISは、がん細胞が乳管の外へ出ていないので、&lt;strong&gt;理屈のうえでは、この段階では転移が起こりません&lt;/strong&gt;（転移は、がんが血管やリンパ管に入り込んで初めて起こります）。だから「ステージ0」なのです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;早期であるほど見通しは良好で、&lt;strong&gt;ステージ0の乳がんの5年生存率は95%以上&lt;/strong&gt;とされています。「がん」という言葉に驚くのは当然ですが、&lt;strong&gt;DCISは、乳がんのなかで最も治りやすい段階&lt;/strong&gt;だということを、まず知っておいてください。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;どうやって見つかるのか&#34;&gt;どうやって見つかるのか&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;DCISは、&lt;strong&gt;しこりなどの自覚症状がないことが多い&lt;/strong&gt;のが特徴です。乳管の中にとどまっているので、外から触れてもわからないことがほとんどです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;では、どうやって見つかるのか——多くは&lt;strong&gt;検診のマンモグラフィで、ごく小さな「石灰化」として写る&lt;/strong&gt;ことがきっかけです。石灰化はカルシウムの粒で、その並び方や形から「精密検査が必要」と判断され、組織を調べてDCISと分かる、という流れが典型的です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;石灰化や「要精査」と言われたときの考え方は、別記事もあわせてどうぞ。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&#34;https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-kenshin-category3/&#34;&gt;乳がん検診で「カテゴリー3」と言われたら&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;a href=&#34;https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-kenshin-yoseisa/&#34;&gt;検診で「要精査」と言われたら&lt;/a&gt;&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;dcisの治療&#34;&gt;DCISの治療&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;「転移しない段階なら、放っておいてもいいのでは？」——そう思うかもしれません。でも、標準的には治療をします。理由は後で説明しますが、まず治療の中身を見てみましょう。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
  &lt;thead&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;治療&lt;/th&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;内容&lt;/th&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;ポイント&lt;/th&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/thead&gt;
  &lt;tbody&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;手術&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;乳房部分切除術（温存）または乳房全切除術&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;広がりの範囲によって選ぶ&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;放射線治療&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;部分切除の場合、術後に行うのが原則&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;温存した乳房の再発を減らす&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;ホルモン療法&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;ホルモン受容体が陽性の場合に検討&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;再発予防のための飲み薬&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;手術のときには、必要に応じて&lt;strong&gt;センチネルリンパ節生検&lt;/strong&gt;（がんが最初に流れ着くリンパ節を調べる検査）を行うこともあります。手術か放射線か、温存か全摘かは、&lt;strong&gt;病変の広がり方・場所・ご本人の希望&lt;/strong&gt;によって決まります。手術全体の考え方は「&lt;a href=&#34;https://chiho-nyugan-kanwa.com/posts/nyugan-surgery-onzon-zenteki/&#34;&gt;乳がんの手術——温存か、全摘か&lt;/a&gt;」も参考にしてください。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;参考情報源&lt;/strong&gt;：国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん——0期（ステージ0）の治療」（&lt;a href=&#34;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html#stage_0&#34;&gt;https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html#stage_0&lt;/a&gt;）&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;h2 id=&#34;治療しすぎではという議論過剰治療の問題&#34;&gt;「治療しすぎでは？」という議論——過剰治療の問題&lt;/h2&gt;
&lt;p&gt;DCISには、医療の世界でも長く議論されているテーマがあります。それが**「過剰治療（治療しすぎ）」**の問題です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここは正直にお伝えします。&lt;strong&gt;DCISのなかには、もし一生治療しなくても、浸潤がんに進まず、命に関わらないまま終わるものが、一定の割合で含まれている&lt;/strong&gt;と考えられています。検診が広まってDCISがたくさん見つかるようになった結果、「本来は放っておいてもよかったかもしれないもの」まで手術している可能性がある——これが過剰治療の指摘です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ではなぜ、それでも標準では治療するのか。理由はシンプルです。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;今の医学では、「進むDCIS」と「進まないDCIS」を、事前に確実に見分ける方法がまだないからです。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;p&gt;どれが将来浸潤がんになるか分からない以上、「安全側に立って治療する」のが、現時点での標準的な考え方です。とはいえ、この「見分ける・様子を見る」ことに挑む研究は、世界中で進んでいます。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;⚠️ 「手術せず経過を見る」方法について——新しい研究段階の話&lt;/strong&gt;
低リスクのDCISに対して、すぐ手術せず**慎重に経過を観察する（アクティブサーベイランス）**方法を検証する臨床試験が、欧米（COMET・LORIS・LORD）や日本（LORETTA）で進行中です。短期的には安全そうだという早期の報告も出ていますが、&lt;strong&gt;あくまで臨床試験という管理された枠組みのなかでの、研究段階の話&lt;/strong&gt;です。
現時点では、&lt;strong&gt;日本の通常診療で標準的に選べる方法ではありません&lt;/strong&gt;。「様子を見たい」と思ったときは、自己判断で治療を先延ばしにするのではなく、&lt;strong&gt;担当医に「経過観察という選択肢は自分に当てはまるか」を率直に相談&lt;/strong&gt;してください。判断のカギは、コストや不安ではなく「&lt;strong&gt;この方針を選んだ後、何を・どのくらいの間隔で・誰が見ていくのか&lt;/strong&gt;」がはっきりしているかどうかです。&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;p&gt;参考までに、世界で進んでいる主な試験の状況は次のとおりです（2026年7月時点）。&lt;/p&gt;
&lt;table&gt;
  &lt;thead&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;試験（国）&lt;/th&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;登録期間&lt;/th&gt;
          &lt;th style=&#34;text-align: center&#34;&gt;結果が出そうな時期&lt;/th&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/thead&gt;
  &lt;tbody&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;COMET（米国）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;2017〜2023年（終了）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;2年間の短期結果は発表済み。最終は2030年ごろ&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;LORIS（英国）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;2014〜2020年（終了）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;登録が目標に届かず、結論を出しにくい状況&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;LORD（欧州）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;登録中（2029年ごろまで）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;2030年代前半の見込み&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
      &lt;tr&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;LORETTA（日本）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;2017〜2022年ごろ（終了）&lt;/td&gt;
          &lt;td style=&#34;text-align: center&#34;&gt;追跡は2033年まで。結果はそれ以降&lt;/td&gt;
      &lt;/tr&gt;
  &lt;/tbody&gt;
&lt;/table&gt;
&lt;p&gt;つまり、いまはっきり参照できるのは&lt;strong&gt;米国COMET試験の「2年間」という短い期間の結果だけ&lt;/strong&gt;で、「手術しなくてよいDCISがある」と言い切れる段階ではありません。4つの試験がそろって結論を出すのは、&lt;strong&gt;2030年代前半&lt;/strong&gt;が見込みです。&lt;/p&gt;</description>
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