このたび、地域の小学校で医師としての経験をお話しする機会をいただきました。普段は大人相手の講演が多く、小学生への講演は初めての挑戦でしたが、子どもたちの反応を見ながら、時おり質問を交えて進めました。
私は現在、地方都市の病院で乳腺外科と緩和ケアを専門に働いています。講演では、医師になるまでの道のりや医師の仕事、そして人生の考え方についてお話ししました。小学生時代の私はサッカーが大好きで、「ワールドカップに出る」と夢見ていました。勉強面では塾に行かず家庭学習が中心でしたが、難しい問題に向き合い、自分で解き切る姿勢を身につけたことが後の学びの基礎になりました。
中学・高校を経て、家族の病気がきっかけで医師を志しました。病気と向き合う家族を支えたいという思いが強くなったことに加え、海外留学で自分の将来を深く考えた時間が人生の方向を決める大きな要因となりました。帰国後、本格的な受験勉強に取り組み、努力を積み重ねた結果、医学部進学を叶えました。「努力は必ずしも報われるとは限らないが、成功している人は必ず努力している」という実感は、この頃の経験から生まれたものです。
講演では、医師の仕事の幅広さについても伝えました。病気を治すだけでなく、健康を守ること、病気を見つけること、そして治せない病気に対して患者さんや家族に寄りそい、つらさを和らげる医療も重要です。特に緩和ケアは、単に「治す」のではなく「支える」医療であり、人生に深く関わる仕事です。
さらに子どもたちには、「努力の方向性を大切にすること」「自分で選択し責任を持つこと」「自分の好きと得意を知ること」「人生を楽しむ姿勢」についてメッセージを送りました。仕事は人生の多くの時間を占めるからこそ、自分の意志で選ぶことが大切です。また、お金の学びの必要性や、正しい情報を見極める力の重要性にも触れました。
「どんな人生も自分で選んで進むもの」——今回の講演が、将来を考える小さなきっかけになれば嬉しく思います。