この記事から、新しい連載を始めます。
テーマは「医師である筆者が、サイドFIREを目指して進んでいく記録」です。
うまくいったことも、迷ったことも、数字の変化も、できるだけ正直に書いていきます。
第1回は、なぜサイドFIREなのかと、いまの現在地を整理します。
※この連載は筆者個人の経験と考えを記録するものであり、特定の金融商品をすすめるものではありません。投資はご自身の判断と責任で。
1. そもそもFIREとは?——4つのタイプ
FIREは「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の略です。ただ、ひとくちにFIREといっても、実はいくつかのタイプがあります。
| タイプ | 生活費のまかない方 | 働き方 |
|---|---|---|
| フルFIRE | 資産所得だけで生活費の全額 | 働かない(完全リタイア) |
| サイドFIRE | 資産所得+労働所得(資産所得が土台) | 好きな仕事を少しだけ |
| コーストFIRE | 老後の種銭は確保済み、今は労働所得で生活 | 普通に働く(老後貯蓄は不要) |
| バリスタFIRE | パート就労+資産所得(社会保険の確保も主眼) | パートタイム |
※定義は人によって少しずつ幅があります。ここではよく使われる整理を採用しています。
2. なぜ筆者は「サイドFIRE」を目指すのか
筆者が目指すのは、フルFIRE(完全リタイア)ではなくサイドFIREです。理由はシンプルで、
- 仕事そのものをやめたいわけではないから
- 仕事や趣味(筆者の場合はサッカー)は、**お金だけでなく「社会とのつながり」**でもあるから
完全に引退してしまうと、収入だけでなく、人とのつながりや張り合いも失いがちです。
だから筆者の理想は、「生活の土台は資産所得で支えつつ、仕事は"したいからする"状態にする」こと。これがまさにサイドFIREです。
具体的なイメージとしては、60歳前後で常勤から非常勤へ移り、自分のペースで働き続ける——そんな出口を思い描いています。
3. サイドFIREの達成ライン=「固定費 < 資産所得」
では、サイドFIREは「いくら貯まれば達成」なのでしょうか。
筆者が目安にしているのは、**「固定費 < 資産所得」**という1本のラインです。
- 固定費:家賃・住宅ローン・通信費・保険料など、毎月ほぼ決まって出ていくお金
- 資産所得:配当金・分配金など、資産が生み出す「働かなくても入るお金」
この 資産所得が固定費を上回れば、暮らしの「最低限の土台」は不労所得でまかなえることになります。残りの変動費(食費・娯楽・教育費など)は労働所得で払えばいい。
なぜ「固定費」を基準にするのか。それは、
- 固定費は金額が読みやすく、コントロールもしやすい(だから目標にしやすい)
- 「生活費の全額」を資産所得でまかなうフルFIREよりハードルがぐっと下がる
からです。まず固定費を資産所得で超える——これがサイドFIREの現実的な第一目標になります。
4. いまの現在地(2026年5月)
正直に、今のスタート地点を書いておきます(金額はおおまかに)。
- 投資資産:おおよそ1,500万円台(新NISA・iDeCoなどで運用中)
- 家計の見える化:家計簿アプリ(マネーフォワード)で、2025年12月から固定費・変動費を記録開始
- 資産所得 対 固定費:現時点では、資産所得が固定費を上回るにはまだ距離がある段階
投資自体は十数年前から続けており、iDeCo(個人型確定拠出年金)は旧NISA時代から活用してきました。ただ最近、iDeCoの掛金を月2万3千円から5千円(最低額)まで減額しました。iDeCoは節税効果が大きい一方で、60歳まで引き出せません。サイドFIREで重視したいのは「60歳より前にも使える資産所得」なので、いまは引き出しの自由度が高い新NISAを優先する——という判断です。
つまり、コーストFIRE(=老後の種銭はおおむね確保できた状態)には近づいているものの、サイドFIRE(固定費<資産所得)まではこれから、というのが正直な現在地です。
家計の数字は記録を始めたばかりで、まだ月ごとのブレがあります。1年ほど記録を続けて数字が安定したら、より正確な「達成率」を出していくつもりです。
5. これから追いかける指標
この連載で定点観測していくのは、次の指標です。
サイドFIRE達成率(%)= 資産所得 ÷ 固定費 × 100
この数字が100%を超えたら、サイドFIRE達成。
今後、この割合がどう動いていくかを、定期的に記録・発信していきます。
6. 医師という職業から考えること
最後に、医師の視点を少しだけ。
医師は収入が比較的高く、種銭(投資の元手)をつくりやすいという強みがあります。一方で、仕事の負荷が大きく、代わりがききにくい職業でもあります。だからこそ、「いつまでも全力フルスロットルで働き続ける」のではなく、早めに出口戦略を考えておく価値が大きいと感じています。
サイドFIREは、そんな医師にとって「働き方を自分で選べる自由」を手に入れる、現実的な道だと思っています。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 目指すもの | サイドFIRE(完全リタイアではない) |
| 達成ライン | 固定費 < 資産所得 |
| 追う指標 | 資産所得 ÷ 固定費(達成率%) |
| 現在地 | 投資資産1,500万円台・達成率はこれから記録 |
これから、進み具合をこの連載で正直に記録していきます。
同じように「働き方とお金の自由」を考えている方の、ひとつの実例になれば幸いです。
※本記事は筆者個人の見解・経験であり、特定の投資手法や金融商品を推奨するものではありません。投資にはリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
筆者:田舎の県庁所在地に住む医師。外科学会専門医・乳癌学会認定医。現在は乳がんの検診・診断と緩和ケアを専門に担当。医師になって20年。お金の勉強はリベラルアーツ大学(リベ大)を参考にしています。