📌 ピン留め 【2026年8月改定】高額療養費制度はこう変わる——がん患者・家族が知っておくこと

「がん治療費の心強い味方」である高額療養費制度が、2026年8月診療分から見直されました(第1段階)。 2026年8月2日更新:改定が施行されたため、記事全体を施行後の内容に更新しました。年間上限の金額も確定分に差し替えています。 結論:今回(第1段階)の引き上げ幅は区分により約4〜7%、金額にして月+1,500〜17,700円です。ただし同時に年間上限が新設されたため、長期治療の方はむしろ負担が下がる場合があります。報道で見る「最大38%」は2027年8月までの2段階を通じた数字で、今回の引き上げ幅ではありません。 「いくら増えるのか」「自分は影響を受けるのか」「何か対策はあるのか」——この記事では、がん患者・家族の視点から、2026年8月の改定を分かりやすく解説します。 制度の基本については先に がん治療の医療費——高額療養費制度を知っておく をご覧ください。 1. なぜ改定されたのか 背景 医療費の増大(高齢化・高額薬剤の登場) 健康保険財政の持続可能性確保 「応能負担」の強化(収入に応じた負担を) 改定の規模 報道でよく見る「4〜38%引き上げ」という数字は、2027年8月までの2段階を通じた最大値です。 2026年8月の第1段階だけを見れば、引き上げ幅は各区分(後述の金額から計算すると約4〜7%)にとどまります。高所得層ほど引き上げ幅が大きい設計で、38%に達するのは2027年8月の細分化後に最上位区分となる層です。 参考情報源:厚生労働省保険局「高額療養費制度の見直しについて」(令和7年12月25日 第209回社会保障審議会医療保険部会):https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001621844.pdf 2. 改定の全体像——2段階で進む 時期 内容 状況 2026年8月 第1段階:69歳以下の自己負担上限を引き上げ(5区分のまま)+年間上限の新設 施行済み 2027年8月 第2段階:所得区分を5区分→13区分に細分化 予定 → 2027年8月までに 計2回の改定が行われます。1回目はすでに始まっています。 3. 第1段階(2026年8月)の具体的な変更 69歳以下の方の月額自己負担限度額の引き上げ: 区分 年収目安 改定前(〜2026年7月) 改定後(2026年8月〜) 引き上げ額 ア 約1,160万円以上 252,600円 + α 270,300円 + α +17,700円 イ 約770〜1,160万円 167,400円 + α 179,100円 + α +11,700円 ウ 約370〜770万円 80,100円 + α 85,800円 + α +5,700円 エ 〜約370万円 57,600円 61,500円 +3,900円 オ 住民税非課税 35,400円 36,900円 +1,500円 ※「+ α」は医療費が基準額を超えた分の1%を加算。改定後の基準額は区分ア 901,000円・区分イ 597,000円・区分ウ 286,000円。 ...

May 20, 2026 · 2 min

子どものPayPayに、ある日突然ログインできなくなった——鍵は「前の電話番号」だった

9月の終わり、中学生の息子のPayPayに、ある日突然ログインできなくなりました。パスワードは通らず、再設定のためのSMSも届きません。 原因は、PayPayに登録していた電話番号が、もう使っていない前の番号のままだったことでした。元に戻るまでに1週間ほどかかりました。 先に書いておくと、これはPayPayが悪いという話ではありません。PayPayは便利で、わが家では欠かせない道具です。筆者自身は今はクレジットカードを優先していますが、子どもはクレジットカードを持てないので、子どもの買い物も、親からのおこづかいの送金もPayPayに頼っています。子どもにとっては、事実上の財布です。 だからこそ、失わない準備が要ります。同じことは大人にも起こるので、経過と、いまやっておけることを書いておきます。 結論:番号を変えたら、ログインできるうちにPayPayの登録番号も変える いまやること 理由 アプリで登録している電話番号を確かめる 今の番号と違っていても、ログインしたままなら普通に使えてしまう 違っていたら、ログインできるうちにアプリから変更する ログインできれば、アプリから変更できる 家族のスマホの番号の履歴を1か所に控える ログインできなくなったとき、前の番号がわからないと手続きが進まない ここから先は、なぜこうなったのか、どこで詰まったのかの記録です。 なぜ登録番号が「前の番号」のままだったのか 息子は中学に入るときにスマホを持ち、そのときの番号でPayPayに登録しました。 ところが、自宅ではその回線の電波がほとんど入りませんでした。そこで別の会社へ乗り換えようとしたのですが、番号をそのまま持ち運ぶ乗り換え(MNP)が途中で止まってしまいました。未成年の名義だったので一度親の名義に変えようとしたところ、手続き中のまま進まなくなり、本人確認の書類もうまく通らなかったためです。 結局、乗り換えはあきらめて、新しい会社と新規で契約しました。ここで電話番号が変わりました。 問題は、PayPayがログインしたままなら番号が変わっても普通に使えたことです。支払いも、親からの送金の受け取りも、それまでどおりでした。登録番号を変える必要に、誰も気づきませんでした。 ちなみに、娘も同じ会社へ乗り換えていますが、こちらはMNPで移れたので番号は変わっていません。PayPayに登録した番号のまま使い続けられるので、何も起きていません。 乗り換え方 電話番号 PayPay 娘 MNP 変わらない 問題なし 息子 新規契約 変わった 1年半あまり後に、突然ログインできなくなった 同じ「乗り換え」でも、新規契約に切り替えた時点で「番号を変えた」のと同じになります。子どもの回線は名義の関係でMNPが止まりやすいので、新規契約で済ませた家庭は確かめておく価値があります。 ある日突然ログインを求められた 最後に普通に使えたのは、コンビニで支払いをした日でした。翌日、アプリを開くとログインを求められ、パスワードを入れても弾かれます。パスワードを再設定しようとすると、確認コードのSMSが前の番号に送られるので、届きません。 なぜこの日に突然ログアウトされたのかは、わかっていません。前の番号が別の人に割り当てられ、その人がPayPayに登録したのではないか、と筆者は推測していますが、PayPayの仕組みとして確認できたわけではありません。 サポート窓口に電話して、思いつく番号を伝えましたが、どれも「その番号での登録はない」という返事でした。前の番号を、家族の誰も覚えていなかったのです。 本当に困ったこと:残高ではなく「本人確認済み」の状態 このとき残高のことは、ほとんど気にしていませんでした。息子本人も、ほぼ0円のつもりでいました。 困ったのは、本人確認(eKYC)を済ませていたことです。 PayPayの本人確認済みアカウントは、1人1アカウントまでと決まっています。古いアカウントが本人確認済みのまま残っていると、新しいアカウントで本人確認をしようとしても「この情報は別のアカウントに登録済みです」となり、できません(PayPayヘルプ)。しかも、どのアカウントで本人確認済みなのかを、PayPay側で調べて教えてもらうことはできません。 本人確認をすると、銀行口座の登録や、PayPayマネーが使えるようになります(PayPayヘルプ)。古いアカウントを取り戻せなければ、新しいアカウントを作り直しても本人確認ができず、本人確認が必要なことはこの先ずっとあきらめるしかないのか——というのが、いちばんの焦りでした。 そもそも、なぜ子どもが本人確認をしていたのか 理由は、おこづかいの上乗せでした。PayPayには、本人確認済みの親から本人確認済みの子ども(12〜18歳)におこづかいを送ると、受け取った額の10%分のポイントが12か月間つくキャンペーンがあります(月250ポイントまで。2026年10月28日時点で終了日は未定)(PayPay公式)。 わが家では毎週のおこづかいをPayPayで送っていたので、1年間で2,000円あまりの上乗せになりました。 振り返ると、この本人確認と引き換えに、このアカウントを失えない状態になっていました。本人確認をしていなければ、新しいアカウントを作るだけで済んだはずです。 期間 おこづかいの上乗せ 1年間で終わった 本人確認済みの状態(=失えない縛り) 期限なしで続く 上乗せの1年間はすでに終わっていて、いまは必要なときに送るだけになっています。特典は期限付きでしたが、本人確認のほうは期限なしで残り続けていました。 突破口:「マイナンバー」で検索したメモ 翌日、新しい番号でアカウントを作り直すことにしました。本人確認にはマイナンバーカードを使うので、カードの情報を探そうとスマホのメモアプリで「マイナンバー」と検索しました。 そこに、前の電話番号が書かれていました。マイナンバーまわりの手続きをしたときのメモに、当時の番号が一緒に残っていたのです。 サポートに伝えると、その番号が登録番号だと確認できました。 復活までの遠回り:同じ罠を踏まないために 番号がわかってからも、元に戻るまでに数日かかりました。遠回りになったのは次の3つです。 1. 先に新しいアカウントを作ってしまった ログインできないときに使える電話の自動音声の手続きには、変更先の番号でアカウントを作っていないことという条件があります(PayPayヘルプ)。作ってしまっていても、残高などがなければ解約すれば使えますが、ひと手間増えます。 わが家は番号を探す前に新しいアカウントを作っていたので、まずそれを削除するところから始めました。ログインできなくなったら、新しいアカウントを作る前に、まず窓口に相談するのが近道です。 2. 確認コードの「再送」を押して、24時間ロック 手続きの途中で、登録していたメールアドレスに確認コードが送られる場面がありました。なかなか届かないので「再送」を押したところ手続きがキャンセルになり、24時間、手続きができなくなりました。 コードは迷惑メールフォルダに入ることもあるので、手続きを始める前にメールを開いておき、再送はすぐに押さずに数分待つほうが安全です。 3. サポートからのメールに気づかず、止まったまま ロックが解けるのを待っている間、実はサポートから「登録情報の再確認」のメールが届いていました。これに返信しないと先に進まない状態だったのに、気づかないまま数日たっていました。電話で問い合わせて、ようやくわかりました。 ...

October 29, 2026 · 1 min

ふるさと納税は「1年の回し方」で決まる

ふるさと納税の記事は「何を頼むか」の話が多いのですが、実際にやってみてしっくり来ているのはいつ・どこまで頼むかのほうでした。2026年の自分のやり方は、1〜2月に一度探す、予想される上限を出す7月、9割で止める秋、残りを決める12月、です。 筆者は2026年、ふるさと納税を20件・18自治体に申し込みました。この記事では金額は出さず、割合と時期だけで、1年をどう回したかを書きます。返礼品そのものの感想は別の記事(【ふるさと納税】医師が頼んで良かった返礼品5選)にまとめています。 結論:1年はこの6つの節目で回る 時期 やること 使うもの 1〜2月 一度、返礼品を探す 各ポータル 6〜7月 上限を計算する 住民税決定通知書 〜9月 安全ラインの9割まで申し込む 各ポータル 12月 年収の着地を見て、残り1割を使うか決める 給与明細・源泉徴収票 翌年2〜3月 確定申告(またはワンストップ特例) 寄附金控除に関する証明書 翌年6月 控除が反映されたか確かめる 次の住民税決定通知書 最後の「翌年6月」は、そのまま次の年の「上限を計算する」につながります。毎年同じ紙を見るところから始まり、同じ紙で終わる、という回り方です。 6〜7月:住民税決定通知書で上限を出す 毎年6月ごろ、勤務先経由(または自宅)で住民税決定通知書が届きます。上限の計算に一番使えるのがこの紙です。 総務省の説明では、住民税から引かれる「特例分」は住民税所得割額の2割が上限です。ここから逆算すると、自己負担2,000円で収まる寄附額の目安は次の式になります。 上限の目安 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円 「所得税率」は5〜45%のうち自分に当てはまる税率 「1.021」は復興特別所得税の分 出典:総務省|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について ここで注意したいのは、通知書に載っているのは前年の所得だということです。今年の上限は今年の所得で決まるので、この式で出るのは「今年も去年と同じくらい稼ぐなら」という前提の数字です。筆者が使った上限も、こうして出した概算です。この記事に出てくる「97%」「9割」「1割」といった割合は、すべてその概算の上限に対するものです。 前年に枠をどれだけ使えていたかも、同じ紙から分かるはず 通知書には、前年の寄附で受けた寄附金控除の額も載っています。ここから前年の寄附額を逆算し、その年の上限と比べれば、枠をどれだけ使えていたかが分かるはずです。 筆者は前年の寄附額を記録しておらず、確かめるのを後回しにしていました。AIがなかった頃は、確かめるには税理士に頼むしかなく、お金をかけてまで確認することではないと考えたからです。今回はAIに逆算を試してもらいましたが、その逆算が正しいかは、まだ確かめていません。また、前年の上限を正確に出すには、その年の給与明細をすべてAIに読ませる必要があるため、そこまではしていません。 この記事に前年の使用率は書けません。確かめるなら、通知書の控除額と、その年の給与明細をそろえるところからになります。今年は家計管理を抜け漏れなくやっているので、今までより精度が上がりそうです。 安全ラインを「上限の97%」に置く 計算で出た上限をそのまま使い切ろうとすると、少し下振れしただけで超えてしまいます。筆者は計算上の上限の約97%を安全ラインにしました。 理由は、超えたときと余らせたときで、損の形が違うからです。 上限を超えた 上限を余らせた 何が起きるか 超えた分は控除されない 控除は満額受けられる 損するもの 超えた分のお金そのもの 受け取れたはずの返礼品 取り戻せるか 戻らない 翌年また使える枠がある 超えた分は単なる寄附になりますが、余らせた分は返礼品を1つ逃しただけです。だから、迷ったら余らせる側に倒します。 〜9月:安全ラインの9割で止める 2026年の申し込みは、時期で見るとこうなりました。 時期 件数 2〜5月 4件 7〜8月 4件 9月 12件 9月に固まったのは、秋に一部の返礼品の受付終了が告知されたからです。「還元率も変わる」とも言われていました。返礼品名に受付終了日が書かれているものもあり、予定を前倒しして申し込みました。 ...

October 27, 2026 · 1 min

ヤマダデンキのプレミアム会員を解約した——月330円、毎月行って300ポイント。理由は「面倒になった」

2026年10月、ヤマダデンキの「ヤマダプレミアム会員」を解約しました。 理由は、ひと言でいえば面倒になったからです。 数字で確かめると、毎月欠かさずお店に行っても、もらえるポイントは会費をわずかに下回っていました。ただ、解約を決めたのは損得の計算よりも、「毎月お店に行ってポイントを受け取る」こと自体が面倒になったからです。 同じ月に、住友生命のVitalityも解約しました。2つに共通していたのは、特典の元を取るために、自分の行動のほうが縛られていたことです。 きっかけは、家計簿の一覧だった 家計簿をつけていると、使っている金額と、それで得られている満足度を見比べて、何かひっかかるものが出てきます。今回、解約まで動けたのも、家計簿の一覧で「ヤマダ会費 330円」が毎月並んでいるのが目に入ったからでした。 最近は、サブスクの見直しをAIに手伝ってもらっています。カードの明細から実際の金額を出してもらうと、続けるかやめるかを判断しやすくなります。判断できるところまで情報を整理することが、前よりしやすくなったと感じています。 1. ヤマダプレミアム会員とは ヤマダプレミアム会員は、ヤマダデンキの有料会員です。いまは新規の受付を終了しています。 私が入っていたのは月額制で、会費は月330円でした。いまの規約では月額550円(税別500円)なので、私は以前からの価格のまま続けていたことになります。 私にとっての主な特典は、お店に行くともらえる来店ポイントでした。 お店の機械で受け取ると、1回300ポイント(月1回) 受け取った翌日から使える 有効期限は約1か月の期間限定ポイント 2. 1年間の数字 2025年10月から2026年9月までの12か月を、アプリのポイント履歴で確かめました。 金額・ポイント 払った会費(330円×12か月) 3,960円 もらった来店ポイント 3,600ポイント 差し引き 360円の赤字 来店ポイントは、12か月のうち11か月で受け取っていました(1か月は行けず、別の月に600ポイント付いた月がありました)。 毎月欠かさず行っても、330円の会費に対して300ポイント。1か月30円の赤字です。行けない月があれば、その月は330円がそのまま出ていきます。 しかも、ポイントは約1か月で期限が切れます。この12か月で実際に使えたのは、多くて3,000ポイントほどでした。ヤマダで毎月買うものがなければ、ポイントは使い切れません。 3. 損得より、「面倒」だった 数字だけ見れば小さな赤字です。月30円のために解約したわけではありません。 本当の理由は、毎月お店に行って、機械でポイントを受け取り、期限内に何か買うという一連の流れが、面倒になったことでした。 行かないと、会費が丸ごと損になる 行ってポイントを受け取っても、1か月以内に使わないと消える お店は歩いて行ける距離です。それでも、会員でいるために、毎月の予定がひとつ増えていたわけです。 4. 解約の手続き 規約には「店頭もしくは電話」で解約できると書かれています。ところが、私の場合は店頭では手続きできず、電話で解約しました。 電話はすぐにつながり、数分で終わりました。引き止めや、ほかのサービスの案内もありませんでした。 ひとつ失敗がありました。解約したのが会費の引き落とし日の前日だったため、その月の会費はすでに発生していました。規約にも、月の途中で解約しても日割りにはならず、支払った会費は返さないと書かれています。 月額の会員をやめるなら、引き落とし日の前の月のうちに手続きするのが確実です。 もうひとつ、オペレーターの方からは、カード会社によっては最後の月の会費の引き落としが翌月にずれることがある、と説明を受けました。解約した翌月に1回だけ請求が出ても、それは正常です。 なお、新規受付が終わっているので、一度解約すると同じ会員には戻れません。私は「毎月行く習慣があるか」だけで考えて、戻れなくてもかまわないと判断しました。 5. 続けているもの ヤマダデンキとの付き合いを、すべてやめたわけではありません。 家族の名義で入っている延長保証のサービスは、続けています。こちらは、家にあるヤマダで買った大型家電(テレビ・電子レンジ・冷蔵庫)が、保証の期間に重なっているからです。家電が保証の対象から外れるタイミングで、改めて見直すつもりです。 会員やサブスクは、まとめて「全部やめる」「全部続ける」と決めるより、ひとつずつ、自分の生活で使っているかを見るほうが判断しやすいと感じています。 おわりに Vitalityの解約では、「確認するにも手間がかかる」ことに気づきました。ヤマダのプレミアム会員は、もっと単純で、特典を受け取ること自体が手間でした。 月330円は小さな金額です。ただ、金額よりも、毎月の手間がなくなることのほうを重く見て、解約しました。 参考情報 ヤマダデンキ「ヤマダプレミアム会員」(新規受付終了の案内・約款) ヤマダプレミアム会員利用規約(PDF・第3条 会費、第4条 お支払い、第8条 利用契約の解除) 記事中の会費・来店ポイントの数字は、筆者自身のカード明細とヤマダデンキのアプリの記録から集計したものです。来店ポイントの付与条件や会費は、契約時期によって異なる場合があります。 あわせて読みたい Apple Watch特典の2年間を数字で振り返って、Vitalityを解約した——「もらったつもり」と、確認のコスト au PAYカード解約レポート——電話4分で完了、押さえておきたい注意点 この記事は筆者個人の利用体験をまとめたもので、特定のサービスへの加入・解約を勧めるものではありません。サービスの内容は2026年10月時点のものです。 筆者:田舎の県庁所在地に住む医師。外科学会専門医・乳癌学会認定医。現在は乳がんの検診・診断と緩和ケアを専門に担当。医師になって20年。 お金の勉強はリベラルアーツ大学(リベ大)を参考にしています。

October 23, 2026 · 1 min

Apple Watch特典の2年間を数字で振り返って、Vitalityを解約した——「もらったつもり」と、確認のコスト

2026年10月、住友生命の健康増進プログラム「Vitalityスマート for Vポイント」を解約しました。 2年半ほど前、このサービス経由でApple Watchを買いました。運動すると、24か月かけて最大24,000円分のVポイントが戻ってくる特典がついていたからです。 見直すきっかけは、家計簿でした。サブスクの一覧を見直していて、このサービスの月500円が目にとまりました。ちょうど24か月の特典期間も終わっていたので、実際にいくら戻ってきたのかを確かめようとしました。ところが、途中から先は、もう確かめられませんでした。 この記事は、その振り返りの記録です。結論から書くと、次の3つです。 契約した時点で、ポイントをもらったつもりになって、確認を怠っていた 確かめようとしても、履歴を見られる期間を過ぎると、推測するしかない 運動の習慣は、特典のために続けていたわけではなかった。だから解約した 1. 始めたきっかけ きっかけは、Apple Watchを安く買う方法を探していたことでした。ちょうどこのサービスが始まったばかりで、広告をよく見かける時期でもありました。 「Vitalityスマート for Vポイント」は、保険に入らなくても使える健康プログラムです。三井住友カードと連携していて、月の利用料は500円(税込)です。 私が使っていた特典は、主に次の3つです。 特典 中身 アクティブチャレンジ Apple Watch 対象のApple Watchを買って運動すると、24か月で最大24,000円分のVポイント 週のアクティブチャレンジ 週の運動目標を達成すると、ルーレットでドリンクチケットなどが当たる Vポイントの還元率アップ 対象のコンビニ・飲食店での支払いで、ステータスに応じて還元率が上がる Apple Watchは、2024年4月に、Vitality会員向けの割引価格で買いました(Series 9、80,800円)。 2. Apple Watch特典の仕組み いまの特典ガイド(2026年4月1日更新)では、仕組みはこうなっています。 毎月の目標は、Vitalityポイントで1,200ポイント。達成の度合いに応じて、Vポイントが付きます。 その月のVitalityポイント 付くVポイント 1,200以上 1,000 720〜1,199 750 480〜719 500 479以下 なし これが24か月続いて、最大24,000円分です(Apple Watch本体の購入額が上限)。 数えられるのは、歩数・心拍数・ジムの利用の3つだけです。64歳以下の場合、歩数のポイントはこうなっています。 1日の歩数 Vitalityポイント 6,000歩 10 8,000歩 20 10,000歩 40 12,000歩 60 月1,200ポイントに届くには、1日12,000歩を月20日、あるいは1日10,000歩を毎日、くらいのペースが要ります。 健康診断の結果を出したり、オンラインのチェックに答えたりしてもらえるポイントは、この特典には数えられません。 なお、私が買った2024年当時のルールが、いまのガイドとまったく同じだったかどうかは確かめられていません。当時はビックカメラで買いましたが、いまのガイドでは購入先がヨドバシカメラの会員専用サイトになっています。 3. 確かめようとしたら、途中から見られなかった 実際にいくら付いたのかは、三井住友カードの会員サイトで、Vポイントの履歴を見れば分かるはずでした。 ところが、履歴を見られたのは2025年4月以降だけでした。それより前の分は、もう表示されません。 Vitalityアプリのほうも、ポイントの履歴をさかのぼれるのは、今年度と前年度(2025年4月以降)までです。 つまり、24か月のうち最初の10か月ほどは、いまとなっては確かめる方法がありません。 契約したとき、私は「運動すれば24,000円分が戻ってくる」と、もらったつもりになっていました。そして、毎月きちんと付いているかを確かめていませんでした。 ...

October 23, 2026 · 2 min

【お金・生活】学生時代の年金、追納すべきか——「いま決めること」と「まだ決めなくていいこと」

前の記事お金の勉強は、いつ始めるのが一番効くのかで、学生時代の国民年金について「申請は今すぐ。納付は後から」と書きました。 そこで止めてしまったので、続きを書きます。 では、その「後から」の納付——追納は、したほうが得なのでしょうか。 この問いは、インターネットで調べても答えが割れます。生成AIに聞いても、聞くAIによって結論が逆になることがあります。理由ははっきりしていて、AIは「あなたのその期間が未納なのか、承認を受けた免除なのか」を確認しないまま、一般論で答えてしまうからです。この2つは、制度上まったく別物です。 この記事では、判断に必要な前提を順番に開けていきます。数字はすべて日本年金機構と国税庁の公表資料から取りました。 そしてもうひとつ、先にお伝えしておきたいことがあります。年金の手続きには、いま決めるしかないことと、まだ決めなくていいことが混ざっています。この記事は、その2つを分けるために書いています。 大前提:「未納」は、そもそも追納できません 最初に、いちばん多い誤解です。 追納制度の対象になるのは、申請して承認を受けた期間だけです。日本年金機構は対象を「全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、納付猶予、学生納付特例の期間」と明記しています。 申請せずに払わなかった期間=「未納」は、この中に入っていません。 何年か経ってから「まとめて払って年金を増やそう」と思っても、制度が用意されていないのです。 学生納付特例をさかのぼって申請できるのは「申請時点から2年1カ月前までの期間」まで。それを過ぎると、未納として確定します。 前の記事で「申請は今すぐ」と書いたのは、この期限のことでした。 申請しただけで、すでに手に入っているもの ここが、前の記事で書き足りなかった部分です。「追納の権利が残る」だけではありません。 申請して承認を受けた時点で、すでに2つの保障が働いています。 ① 万一のときの障害年金・遺族年金。 日本年金機構は、学生納付特例の承認期間について「保険料納付済期間と同様に当該要件の対象期間になります」と書いています。つまり、在学中に事故や病気で障害が残った場合、あるいは亡くなった場合、保険料を払っていた人と同じ扱いで受給要件が判定されます。 これは未納だと得られません。申請したかどうかで、万一のときの保障が変わるのです。 ② 老齢基礎年金をもらうための資格期間。 年金を受け取るには、原則10年以上の資格期間が必要です。承認期間は「この10年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます」。 そして、ここからが追納の話につながります。 「ただし、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。」 受給資格には入るけれど、金額には反映されない。 これが、申請だけでは埋まらない唯一の穴です。 逆に言えば、追納で増えるのは老齢基礎年金の「額」だけです。障害年金や遺族年金の保障は、追納しなくてもすでに効いています。「万一に備えて追納を」という勧め方は、この点で正確ではありません。 追納すると、いくら増えるのか 日本年金機構は、こう書いています。 「1年間分追納すると、全額免除の期間であれば老後の年金が年間で約1万円、納付猶予や学生納付特例の期間であれば年間で約2万円増えます。」 同じ1年分でも、倍違います。 理由は、全額免除の期間には国庫負担分がすでに入っているからです。もともと半分は年金額に反映されているので、追納で埋まる残りも半分。一方、学生納付特例と納付猶予はゼロからの積み上げなので、丸ごと増えます。 自分の期間がどちらなのかで、判断は変わります。 数字の出どころも確かめておきます。令和8年度の老齢基礎年金の満額は月70,608円(年847,300円)。これを480か月(40年)で割ると、1か月あたり年1,765円。12か月分なら年21,180円です。年金機構の言う「約2万円」と一致します。 なお、老齢基礎年金の満額は生年月日で2種類あります。上の額は昭和31年4月2日以後生まれの方のもの。昭和31年4月1日以前生まれの方は月70,408円(年844,896円)で、わずかに低くなります。この記事では前者で計算しています。 元が取れるまで、何年か 追納にかかる金額は、いま支払う保険料の額ではありません。 「免除・納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます」 つまり当時の保険料額が基準で、放っておくと加算額が乗ります。近年の保険料の推移はこうです。 年度 月額 令和5年度 16,520円 令和6年度 16,980円 令和7年度 17,510円 令和8年度 17,920円 令和8年度の水準で1年分を概算すると、17,920円×12か月=約215,000円。これで年金が年約21,180円増えるので、 215,000円 ÷ 21,180円 = 約10.2年 65歳から受け取り始めるなら、75歳ごろに元が取れる計算です。そこから先は、生きている限り上乗せが続きます。 この性質が大事です。追納は「投資」というより「長生きへの保険」です。早く亡くなれば払い損になり、長生きするほど得をする。だから「利回りが何%か」で考えるより、「長生きしたときに困らないための備え」として見るほうが実態に近いと思います。 節税を入れると、話が変わります 追納した保険料は、全額が社会保険料控除の対象になります。その年の所得から丸ごと引けるので、税率の高い人ほど実質負担が下がります。 さきほどの約215,000円を、限界税率別に置き換えてみます。 限界税率(所得税+住民税) 実質的な負担 元が取れるまで 15%(所得税5%) 約182,800円 約8.7年 20%(所得税10%) 約172,000円 約8.2年 33%(所得税23%) 約144,100円 約6.8年 43%(所得税33%) 約122,600円 約5.8年 (復興特別所得税は計算に入れていません) ...

September 17, 2026 · 2 min

【お金・生活】お金の勉強は、いつ始めるのが一番効くのか——住宅ローンを組んでから気づいたこと

医師向けの媒体で、こんな質問を見かけました。 「いくら貯めたら家を買えますか」 若い医師からの質問で、回答も複数ついていました。読んでいて感じたのは、質問した人への違和感ではありません。答えのほうが、そろって同じ方向を向いていたことのほうでした。年収の何倍まで借りられるか、フルローンで自己資金を残すべきか、住宅ローン減税を何年使うか——技術の話ばかりで、「そもそもどういう暮らしをしたいのか」から始まる回答は少数派でした。 医師は、お金の教育を受ける機会がほとんどないまま高収入になります。そのことを、あらためて突きつけられたように思いました。 そして自分自身を振り返って、ひとつ思い当たることがありました。筆者も、住宅ローンを組んだときには何も知らなかったのです。 この記事では、「お金の勉強はいつ始めるのが一番効くのか」を考えます。結論を先に書くと、筆者の答えは「知識の種は早く渡し、本格的な実行は余裕ができてから」です。 「早く始めるほど得」は、たしかに正しい まず、こちらは動かしようのない事実です。 資産形成の効果は、運用に使える時間の長さに大きく左右されます。同じ金額・同じ利回りなら、20代から始めた人と40代から始めた人では、複利の効く期間が20年違う。これは努力や才能で埋められる差ではありません。 だから「若いうちから始めよう」という助言は正しい。ただし、それは続いた場合の話です。 それでも、早ければいいとは限らない 筆者が引っかかっているのは、ここです。お金の勉強を始める時期を、大きく3つに分けてみます。 始める時期 強み つまずきやすい点 働く前(学生時代) 複利の効く時間が最も長い 必要性を実感できず、途中でやめてしまう 働き始めと同時 収入が発生し、実践できる 職場で覚えることが多すぎて、時間が取れない 働いて少し余裕ができた頃 必要性が切実で、動かせるお金もある 複利の効く時間を何年か失っている 学生時代に投資の本を読んでも、動かせるお金がありません。知識だけが先にあって使う場面がないと、たいていは忘れます。 働き始めた直後も、実は厳しい。医師で言えば研修医の時期です。覚えることが多すぎて、家計簿の付け方まで手が回りません。しかもこの時期がいちばん営業を受けやすい。不動産投資、節税を謳う保険、医師向けのローン——研修医になった瞬間から声がかかります。知識がないまま、収入だけが立ち上がる。もっとも危ない組み合わせです。 では、働いて少し余裕ができた頃はどうか。必要性が切実で、かつ動かせる資源がある。 モチベーションと実行可能性が、この時期に同時に立ちます。 筆者自身がその例です。夫婦のNISAの設計、iDeCoを増額するかどうかの試算、保険の整理、そして50代以降の働き方の設計。この1〜2年で一気に進みました。20代の自分に同じ本を渡しても、たぶん読まなかったと思います。 ただし、遅い開始には確実なコストがあります。 それが次の話です。 筆者の場合:住宅ローンを組んだとき、知らなかったこと 筆者の住宅ローンは、こういう条件です。 項目 内容 金利タイプ 全期間固定 1.450% 特約 3大疾病団信(+0.15%) 返済額の対収入比 約8% 完済予定 2037年3月 住宅ローン控除 受けていない 10年固定で1.0%という選択肢もありましたが、採りませんでした。住宅ローン控除を受けていないのは、新築時のローンを途中で引き継いだためです。 正直に書きます。ローンを組む前にお金の勉強をしていたら、いまのローンは組んでいません。 団信も付けず、掛け捨ての生命保険で代用していたはずです。3大疾病団信の+0.15%は、返済期間を通して払い続ける保険料と同じですから、同等の保障を掛け捨てで買えるなら、そちらのほうが安く済んだ可能性があります。 これは後悔として書いているのではありません。知らない時期に決めたことは、あとから直せないものがある——その実例として書いています。 それでも、いまのローンは組み替えません ここが大事なところです。 団信を外すには借り換えが必要です。そして借り換えれば、全期間固定1.450%という条件を手放すことになります。金利が上がっている局面で、この条件を捨てて再調達するのは合理的ではありません。 つまり、過去の判断としては最適でなかったけれど、これからの判断としては現状維持が正解、という状態です。 お金の見直しをしていると、こういう場面によく出会います。「あのとき知っていれば」と「いま変えるべきか」は、まったく別の問いです。前者の答えが「変えていた」でも、後者の答えが「変えない」になることは珍しくありません。 「ローンを軽くした」ことだけは、結果的に効いている 知らずに決めたことばかりだったのですが、ひとつだけ、いま効いている判断があります。 借入額を抑えたことです。返済額は収入の8%程度に収まっています。 これがどう効くか。働き方を変える自由度として効きます。 50代半ばで勤務を減らし、収入が下がる——そういう選択を検討できるのは、固定費が軽いからです。毎月の返済が収入の2割、3割を占めていたら、同じことは考えられません。収入を下げられないので、体力が落ちても同じ働き方を続けるしかない。 医師向けの住宅購入の議論では、「年収の5〜6倍までは借りられる」という目安がよく出てきます。しかしこれは金融機関が貸せる額であって、無理なく返せる額ではありません。しかも医師の収入は、勤務先の変更や役割の変化で動きます。「ローン期間中ずっと同じ報酬を得られる前提」で組むと、その前提が崩れたときに逃げ場がなくなります。 住宅ローンは、住宅の問題であると同時に、その後20年、30年の働き方の自由度を決める契約でもあります。そう考える人がいてもいいはずですが、筆者が読んだ議論の中に、この視点はほとんどありませんでした。 学校で金融教育が始まった——ただし「早く教える」と「身につく」は別 最近、こういう課題があることを知りました。高校の夏休みの宿題で、バーチャルの資金500万円を使って株を売買するというものです。 金融教育が学校に入ったこと自体は、前進だと思います。筆者の世代は、誰からも何も教わりませんでした。 ただ、筆者の持論からすると、高校生の段階で「腹落ち」まで狙うのは難しいと思っています。必要性を実感しないまま与えられた知識は、定着しにくい。 課題を出す側は「短期売買の難しさを体感して、だから長期・積立・分散なのだと分かってくれたら成功」と考えているのでしょう。それは正しい設計です。ただし、うまくいかない場合があります。 勝ってしまったときが、いちばん危ない 数週間の売買で、たまたま利益が出ることは普通にあります。そのとき生徒が持ち帰るのは、「短期売買は難しい」ではなく「短期売買は儲かる」です。しかもそれを、学校のお墨付きで持ち帰ることになります。 ...

September 16, 2026 · 1 min

10月から酒税が変わる——で、うちはいくら増えるのか計算してみた

2026年10月1日から、酒税が変わります。「発泡酒が値上げ」「増税」という見出しを見て、少し身構えた方もいるかもしれません。 そこで、わが家では実際に年間いくら増えるのかを計算してみました。 結論を先に書きます。年間およそ500円でした。 月にすると40円ほどです。正直、拍子抜けしました。 この記事では、何がいくら変わるのかを国税庁の資料で確認したうえで、飲む頻度ごとに年間いくら変わるかの早見表を作りました。ご自身の行を探してみてください。 そして最後に、この改正で本当に効いてくるのは金額ではないという話をします。 1. 何が、いくら変わるのか まず事実から。1本あたりの酒税額です(左が9月30日まで、右が10月1日から)。 区分 350ml缶 差 500ml缶 差 ビール 63.35円 → 54.25円 ▲9.10円 90.50円 → 77.50円 ▲13.00円 発泡酒(麦芽比率25%以上50%未満) 54.25円 → 54.25円 変わらず 77.50円 → 77.50円 変わらず 発泡酒(麦芽比率25%未満) 46.99円 → 54.25円 +7.26円 67.12円 → 77.50円 +10.38円 いわゆる「新ジャンル」 46.99円 → 54.25円 +7.26円 67.12円 → 77.50円 +10.38円 チューハイなど(その他の発泡性酒類) 28.00円 → 35.00円 +7.00円 40.00円 → 50.00円 +10.00円 ここで気づいてほしいことがあります。 ビールは、下がります。 2020年10月から段階的に進んできたビール系飲料の税率の一本化が、今回で最終段階を迎えます。高いほうを下げ、安いほうを上げて、同じにするという改正です。だから「増税」と一言でまとめると、半分しか言っていないことになります。 2. 「発泡酒は全部上がる」は、正確ではありません 細かい話ですが、ニュースではあまり触れられない点です。 発泡酒は、麦芽の比率によって3段階に分かれています。 麦芽比率 現行の税額(350ml) 10月以降 50%以上 63.35円 54.25円(下がる) 25%以上50%未満 54.25円 54.25円(変わらない) 25%未満 46.99円 54.25円(上がる) つまり「発泡酒」と一括りにすると間違いで、中身によって上がるものも下がるものも、変わらないものもあります。 ...

September 15, 2026 · 1 min

親のお金のSOSは、「助けて」の形では届かない——父からの一通のメール

二十年近く前、まだ学生だった頃の話です。卒業旅行や部活の遠征などで、毎月の仕送りとは別に、両親にまとまった額を工面してもらったことがありました。 その数年後、父から連絡が来ました。要約すると、「あのとき渡したお金を返してほしい」という内容でした。 正直に書きます。そのとき私が思ったのは、「父がお金に困っているわけがないだろうに」でした。 今になって振り返ると、その少し前に父は退職しています。そして不動産のローンを抱えていました。あのメールは、おそらく請求ではなく、家計への不安が形を変えて出てきたものだったのだと思います。 父は今年、亡くなりました。もう本人に確かめることはできません。 この記事は、その後悔から書いています。ただし「親孝行をしましょう」という話ではありません。親からのお金のサインは、見逃しやすい——そのことと、元気なうちに確認しておける具体的なことを整理します。 親のSOSは、「相談」の形をしていない もし父が「退職後の生活費が足りない。ローンの返済が重い。相談に乗ってほしい」と書いてきていたら、当時の私でも何かはできたかもしれません。 でも、実際に届いた言葉は「あのお金を返してほしい」でした。 これは私の父だけの話ではないと思います。お金の不安は、親から子へストレートには伝わりません。 次のような形に変わって出てきます。 昔の貸し借りを持ち出す 「保険を見直そうと思う」と唐突に言い出す 家の修繕や車の買い替えを、やたらと先延ばしにする 「お前たちに迷惑はかけないから」と、聞いてもいないのに宣言する 親の世代には、子にお金の話をすることへの強い抵抗があります。「親としての面子」もあれば、「心配をかけたくない」という気持ちもあります。だから、遠回りな形でしか出てきません。 問題は、受け取る側にお金の知識がないと、それがサインだと分からないことです。わがままにも、不機嫌にも見えてしまう。私はそうでした。 退職直後の家計に、何が起きているのか では、退職した親の家計では実際に何が起きているのか。まずは全体像から見ます。 総務省の家計調査(2025年平均)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1か月の収支はこうなっています。 項目 金額(月額) 実収入 254,395円 可処分所得(手取り) 221,544円 消費支出 263,979円 差額(不足分) 約42,000円 平均消費性向は119.2%。つまり手取り100に対して119を使っている状態が、平均的な姿です。年間にすると約51万円の不足になります。 ひとり暮らしの高齢世帯でも構図は同じで、可処分所得118,465円に対し消費支出148,445円、月およそ3万円の不足です。 ここで大事なのは、「平均でも足りていない」という点です。これは特別に浪費している家庭の話ではありません。貯蓄を取り崩しながら暮らすのが、退職後の標準的な状態なのです。 収入は階段状に落ちるのに、支出はゆっくりしか落ちない 退職すると、給与収入はある月を境にゼロになります。一方、年金の受給開始は原則65歳です(日本年金機構)。60歳や62歳で退職した場合、年金が始まるまでの数年間、収入の空白が生まれます。 対して支出はどうか。食費や光熱費はすぐには変わりません。保険料も、通信費も、自動では下がりません。収入は崖のように落ち、支出はなだらかにしか落ちない——この時間差が、退職直後がいちばん不安になる理由です。 繰上げ受給を選べば早く受け取れますが、その分は減額されます。逆に繰下げれば増額されますが(最大84%)、増えるのは額面であって手取りとは限りません。この話は別記事で詳しく書きました。 → 年金は「繰下げれば得」とは限らない——増額の裏で増える税金と保険料 そして、ローンだけが減らない 家計調査の数字には表れないものがあります。借入の返済です。 住宅ローンにせよ、投資用不動産のローンにせよ、返済計画は現役時代の収入を前提に組まれています。ところが返済そのものは、退職しても1円も軽くなりません。 収入は減る 返済額は変わらない 完済はまだ何年も先 この3つが重なった瞬間に、家計は一気に苦しくなります。私の父の場合も、おそらくこの構図でした。 不動産を持っている場合はもう一段複雑です。売れば返済は終わりますが、売却額がローン残債を下回れば、差額は手元から出すことになります。「売って終わりにする」という出口が、必ずしも使えるとは限らないのです。 親が現役の頃に組んだ借入は、子から見えません。残債がいくらで、完済が何歳になるのか——これを知らないままだと、親の不安の正体は最後まで分かりません。 知らなければ、翻訳もできない ここまで書いたことは、今の私には分かります。しかし当時の私には、ひとつも分かりませんでした。 年金を何歳からもらうように決めたのかも、退職後の家計が平均で赤字だということも、ローンが老後にどう効いてくるのかも、知りませんでした。だから、父の言葉を翻訳できなかったのです。 親のサインを受け取れるかどうかは、親の伝え方の問題ではなく、子の側の知識の問題だった。私はそう考えています。 お金の勉強というと、自分の資産を増やすためのものだと思われがちです。でも実際には、家族の言葉を理解するための語学のような側面があります。 親が元気なうちに、確認しておける3つのこと では具体的に何を聞けばいいのか。私が「あのとき知っていればよかった」と思う3点を挙げます。 その前に——「いくら持っているか」は聞かない 先に、やらないほうがいいことから書きます。貯蓄額や資産額を、最初に尋ねないでください。 親にとっていちばん答えにくい質問であり、しかも聞けなくても困りません。ここから挙げる3つが分かれば、家計が回るかどうかの見当はつきます。 順序を間違えて警戒されると、その後の会話がすべて閉じてしまいます。一度「詮索された」と受け取られると、次に何を聞いても身構えられる。取り返しがつきにくいのはこちらのほうです。 そのうえで、答えやすいものから順に聞いていきます。 ① 年金が「いつから」「いくら」始まるか いちばん答えやすく、いちばん重要です。しかも親自身の手元に、答えが書かれた紙があります。 ねんきん定期便は毎年、誕生月に届きます。ここで知っておきたいのは、記載内容が年齢で変わることです。 対象 記載される内容 50歳未満 これまでの加入実績に応じた年金額 50歳以上 老齢年金の種類と見込額 つまり50歳以上の親のねんきん定期便には、将来の見込額が書いてあるということです。「いくらもらえるか分からない」と親が言う場合、多くは金額が不明なのではなく、書類を見ていないだけです。 ...

August 31, 2026 · 1 min

暴落が「いつ」来るかで結果が変わる——教育費で考える順序リスク

「積立は順調です。あとは使うときが来るのを待つだけ」 そう思っている方に、ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。同じ平均リターンでも、良い年と悪い年が来る「順番」によって、手元に残る金額は変わります。 これを順序リスク(シークエンスリスク)といいます。以前株式と債券を比べた記事で名前だけ触れましたが、今回は数字で詳しく見ていきます。 題材は、多くの家庭にとって最初にやってくる大きな取り崩し——子どもの教育費です。 ※特定の銘柄・商品の売買を勧めるものではありません。投資にはリスクがあり、元本は保証されません。最終的な判断はご自身で。 同じ値動きなのに、150万円の差がつく 子ども1人分の教育費として1,000万円を用意し、大学4年間で毎年250万円ずつ使っていくとします。 2年間の値動きは「▲30%」と「+30%」。順番だけが違う2つのケースを比べます。 ケースA:先に暴落が来た 計算 年末の残高 1年目 1,000万 × 0.7 = 700万 → 250万使う 450万 2年目 450万 × 1.3 = 585万 → 250万使う 335万 ケースB:あとで暴落が来た 計算 年末の残高 1年目 1,000万 × 1.3 = 1,300万 → 250万使う 1,050万 2年目 1,050万 × 0.7 = 735万 → 250万使う 485万 値動きはまったく同じ。使った金額も同じ。それなのに、残高は150万円違います。 1,000万円の教育資金に対して150万円ですから、割合にすると15%。金額で言えば、大学の学費が1年半ぶん消える規模です。 なぜ差が生まれるのか 答えはシンプルで、取り崩しているからです。 取り崩しをしなければ、順番は結果に一切影響しません。実際に計算してみると、 1,000万 × 0.7 × 1.3 = 910万 1,000万 × 1.3 × 0.7 = 910万 どちらも同じです。掛け算は順番を入れ替えても答えが変わらないからです。 ...

August 6, 2026 · 2 min